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2021年11月28日日曜日

【第58回】 オミクロン株

  早いものでもう師走ですね。コロナ感染も下火になり、この秋は久し振りにお出かけされた方も多いかと思います。私は1114日、孫の七五三祝いで京都の下鴨神社に参ってきました。観光客がかなり戻ってきている印象を受けましたが、今年の紅葉は冷え込む日々が少なかったのか、もう一つ鮮やかではないような気がしました。

 

さて、世界保健機関(WHO)は26日、新型コロナウイルスの新たな変異株を、最も警戒レベルが高い「懸念される変異株(VOC)」に指定し、「オミクロン株」と命名しました。南アフリカが発生源と考えられており、ドイツ、イタリア、チェコ、香港において既に感染者が確認されています。ワクチン2回接種を終えた方にも感染者が出ており、オミクロン株は免疫を回避しワクチンの効果を低下させる懸念にWHOは、「デルタ株などに一度感染した人も再感染する危険が増したかもしれない」と危機感を募らせています。また、空気感染の可能性が高いとも報告しており、マスク、アルコール消毒、うがい、手洗いだけでは感染を回避できないと考えられ、光触媒殺菌装置、強力なヘパフィルター付き清浄器、プラズマクラスターイオン大量発生装置等の設備が必要となります。当クリニックでは、新型コロナ感染流行初期からこれらの設備を導入し、感染防止に務めています。とにかくこのオミクロン株の日本流入を阻止しなければなりませんが、専門家の多くが「それは不可能」とコメントしています。となると、新しいワクチンや抗ウイルス薬の開発が急がれます。塩野義製薬の経口抗ウイルス薬「S-217622」はヒトの細胞に取り付いた新型コロナウイルスが、細胞内で複製していくための必須酵素である3CLプロテアーゼが働かないようにすることで、ウイルスの増殖を抑え、今後予想される変異株を含めて幅広いウイルス株に対応可能な「抗ウイルス薬」として期待されます。これに対し、田辺三菱製薬は植物由来のウイルス様粒子(VLP)ワクチン開発を急いでおり、2022年3月までに国内申請することを当面の目標としています。

 VLPワクチンでは子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス・ガーダシル」が、すでに実用化されています。厚生労働省は26日、積極的な接種勧奨を来年4月から再開することを決め、自治体に通知しました。積極勧奨の対象は小学6年~高校1年の女子で勧奨が再開されれば、自治体は対象者に予診票を送ることが可能になり、通常の定期接種の体制に戻ることになります。厚労省は再開までの間に、接種後に症状が出た場合の医療・相談体制を強化するほか、最新の科学的知見を踏まえた説明用リーフレットを改定するなどの準備を進めるとしています。また、積極勧奨が中止された間に機会を逃した女性が無料で接種を受けられるように体制整備もするとのことです。このことを受け、当クリニックでもワクチン接種の再開を決めました。当面の間は4価ワクチンの「ガーダシル」を自費にて接種しますが、来年4月以降は無料接種も可能となります。なお9価ワクチンは体制が整い次第導入したいと思いす。