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2022年4月29日金曜日

【第63回】 ラクトフェリンを活用しよう  

 本日は昭和の日、すなわち昭和天皇ご生誕の日であります。そしてGWのスタートになりますが、昨年に比して国内外への旅行・宿泊予約が飛躍的に増え、また非常事態宣言が発出されていない状況でもあり、観光地や盛り場への人出もかなり多くなりそうで、GW明けの新規コロナ感染者の増加が予測されています。「第6波」の主流だったオミクロンBA・1は、感染力が1.4倍程度強い「BA・2」に置き換わったとされ、全国的に「第7波」へ移行しつつあることは確実で、さらに「オミクロンXE」と呼ばれる新型変異種が出現し、4月11日に日本国内でも初めて確認されました。また、オミクロン以降の変異株は、重症化しにくく、肺炎によって容態が悪化する可能性は低いとされていますが、オミクロンが感染の引き金となって、糖尿病や慢性腎臓病など、基礎疾患を持つ人が死亡するケースが増加していることが示されています。

 新型コロナウイルス感染症の治療法もウイルスの実態も分からない今、ワクチンを含め予防の重要性は改めて言うまでもありませんが、最近注目されているのがSARSコロナウイルスの感染阻害効果が確認されている「ラクトフェリン」です。ラクトフェリンは、鉄と結合する性質を持つ糖タンパク質で母乳や哺乳動物の乳に多く含まれています。ラクトフェリンは体を病原体から守り免疫力を高めるなど、さまざまな体のコントロールを行うことが分かってきました。直接には抗菌・抗ウイルス作用が報告されているのに加え、免疫系、脳・神経系への有効な働きが報告されています。今回発生している新型コロナウイルスは、SARSコロナウイルスと遺伝子の相同性が約80%程度と高く、さらに、SARSコロナウイルスと同じ受容体を使ってヒトの細胞に吸着・侵入することが最近の研究で報告されています。従って、ラクトフェリンが新型コロナウイルス感染を阻害する可能性が高いと期待されています。

  

 婦人科領域において、ラクトフェリンに期待される効果領域は、不妊・月経痛緩和・更年期障害緩和・骨粗しょう症・美肌・美白・エイジング等があげられます。女性の子宮内には「ラクトバチルス」という善玉菌が存在しており、抗菌物質や乳酸を生成し、感染から子宮内を守る働きを持っています。ラクトフェリンを摂取することで、この「ラクトバチルス菌」を増やすことができ、子宮内の環境を健康に保つことにより、妊娠しやすい状態にしてくれます。また、膣内の抗菌力も高まるので、上行感染による流産や早産の防止にもつながります。一方、ラクトフェリンは熱や酸に弱い性質なので、食事で補うことが困難です。しかし最近、すでに栄養加工されたサプリメントが開発され、ラクトフェリンが腸内まで届き、体内に吸収されるようになりました。

 このように「ラクトフェリン」を多く摂取することが、女性の体の不調をやわらげると同時に、新型コロナ感染の予防にもなる可能性が出てきました。当クリニックではラクトフェリン含有のサプリメントを取り扱っています。