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2022年9月25日日曜日

【68回目】 『芸術の秋、そして肥える秋』   

 台風14号、15号が日本列島各地にその爪痕を残し東方へ去っていきました。台風一過本日は好天に恵まれ、奈良公園も久しぶりに観光客と思しき大勢の人々でいっぱいでした。奈良県立美術館にて、917日から日本のリアリズム絵画を代表する一人の野田弘志画伯の作品展が催されており、本日家内と鑑賞に行ってまいりました。東京芸術大学卒業後はイラストレーターとして活躍されており、その作品は書籍や雑誌の表紙、ポスターや新聞小説の挿絵などで目にされている方も多いかと存じます。30代半ばより絵画制作への想いが高まり、画業に専念するようになったそうです。野田画伯は「見える世界を見つめ尽くし、描き尽くす」「風景を描くということは、この星の重量を捉えることだ。すべての生命の生成と消滅を支える、地球の存在そのものを描くということなのだ。」と主張し、人物・静物・風景、いずれのモチーフを前にしても、一貫してひたすらに見つめ、描くことで「在る」ということを突き詰めようとしました。作品の前に立つと、一瞬写真かと錯覚するほどの写実感と精緻な筆力に圧倒されました。現在86歳、まだ制作活動されてるとのことです。116日まで開催していますので、一度訪ねてみられたら如何でしょうか。 

 さて、東京大衆歌謡楽団という4人兄弟のグループをご存知でしょうか?最近YouTubeで偶然見かけ、気に入ってほぼ毎日聴いています。長男がボーカル、次男がアコーディオン、三男がウッドベースそして末っ子がバンジョーを担当し、昭和10年代から30年代の楽曲を中心に演奏します。先日奈良公園でのライブ映像がアップされていましたが聴衆はほぼ中高年で占められ、手拍子よろしく合唱する方も多くとっても楽しんでおられる様子でした。お代は前に置かれた帽子の中に入れるのですが、次から次と引っ切り無しにお札が入れられていきます。一度ご覧になってください。


  今回は『貼り薬』のお話しです。貼って使う薬は2種類に大別されます。一つは「局所作用型外用剤」、もう一つが皮膚から吸収された薬剤が全身に届いて効果を発揮する「経皮吸収型製剤」です。後者では、高血圧や狭心症をはじめアルツハイマー型認知症やパーキンソン病、更年期障害、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などさまざまな病気に適用が拡大され、処方される患者さんも増え続けています。メリットは、のみ込みや消化・吸収に問題があったり、認知機能が衰えたりして口から薬を飲むのが難しい場合でも処方することが出来ます。血中の薬の濃度が変動しにくく、効き目が持続的で安定しているのも特徴です。一方デメリットで最も多いのが、かぶれや痛みなどの皮膚のトラブルです。ふだんからのスキンケア、保湿を心がけ、皮膚を健全に保つことが大切です。婦人科領域では一部のホルモン剤や、過活動膀胱治療薬で貼り薬や塗り薬があり、当クリニックでも積極的に処方しております。

 朝晩めっきり涼しくなってまいりましたので、皆様風邪などひかないようご注意ください。