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2019年7月15日月曜日

【第30回】 白い巨塔

 今年は全国的に梅雨入りが遅く、このブログを書いている今日もさほど蒸し暑さを感じることはありません。いわゆる冷夏だと思いますが、農作物への影響が心配です。夏はやっぱりある程度暑くなってもらわないといろんな意味で困ります。最近、生駒市では公立小中学校のすべての教室に待望のエアコンが設置されました。近年の異常な暑さの中、頑張ってきた生徒や先生の事を思うと、何とかもう少し早く実現できなかったのかと感じているのは私だけではないと思います。しかしこれからが夏本番、皆さんも熱中症対策を怠ることなく、もう少しでやってくる酷暑を乗り切りましょう。

さて、5月下中に5夜連続で放映してた岡田准一主演の『白い巨塔』をご覧になったでしょうか?山崎豊子原作の「財前教授の総回診が始まります・・・」というフレーズで有名な医療ドラマです。あのドラマには、私の様な大学の医局(教室ともいいますが)に籍を置いて臨床と研究に携わったことがあるものにはいささか違和感を覚え、突っ込みたくなるところもありましたが、人間関係や教授選のどろどろした様には妙に納得するところもありました。医局は教授を頂点とし以下、准教授、(以前は助教授)、講師、助教(以前は助手)、専攻医(無給で働く)、研修医で成り立つ組織です。教授の本来の仕事は患者さんの診察や手術をすることではなく、医局員(教室員ともいいますが)を教育し一人前の医師として外に出られるようにすることと、仕事場を確保することだと言っても過言ではありません。医局員は臨床の腕を磨くことはむろんのこと、研究に取り組み、学位いわゆる博士号を取得するためには少々の無理を受け入れ辛抱しつつ、大げさな表現になりますが将来の生活をかけて頑張ります。しかし最近では、大学の医局に入らず、卒業と同時に他の医療機関に研修医として入り臨床医としての腕を磨く人も多いようです。学位も大学院に入らないと取得出来なくなったようで、その間バイトで生活費を稼ぎ、既婚者は家族を養わなければなりません。学位を取得した後は教室へのお礼奉公として関連病院に出向して数年間更なる臨床経験を積んで教室に戻るか、そのまま関連病院に残るか、あるいはその後開業医になるかを選択しますが、ほぼ一生の間教室との縁は切れることはありません。山崎豊子さんが『白い巨塔』を上梓された頃とは大学病院の実態は少し様変わりしたと思います。私は、日本の医療にとって医局制度の存在は害よりも益の方が多いと考えますが、近年厚労省は医師の人事権を教室から取り上げ自分たちに移す施策を進めています。

 

さて今回は緊急避妊のお話を少々。緊急避妊法はふつう性交から72時間以内に1.5mgのレボノルゲストレル(ⅬNG)1錠を服用するのですが、計画的に妊娠を回避するものではない最後の避妊手段であります。その作用機序は排卵の抑制並びに遅延によって避妊を可能にするもので、仮に妊娠している女性に投与されても妊娠に害を及ぼすことはありません。服用後の妊娠率は0.7%と完全なものではありませんが、多くの女性が望まぬ妊娠から解放されているのは事実です。自費診療になりますが、ジェネリックが発売され、以前に比して随分と安価になりました。当クリニックでも取り扱っていますので、心配な折にはぜひ受診なさってください。