厳しい寒さを乗り越え、見事な花を咲かせた桜木も、今年はなぜか晴れ晴れとした気分で、愛でる気にはなれませんでした。皆様におかれては元気にお過ごしでしょうか。身体は大丈夫でも、精神的にまいってる方が多いのではないかと拝察します。その元凶は、もちろん新型コロナウイルス感染が日本全体に蔓延し、われわれを恐怖のどん底に落とし込んでるからにほかありません。先日、政府から緊急事態宣言が発せられましたが、やや遅きに失した感は否めません。経済的なことを考慮してのことだとは思いますが、為政者ならやはり国民の生命を第一に考えての判断があっても良かったのではないかと。昔から「命あっての物種」と云うじゃないですか。
しかし、今回の新型コロナウイルスがもたらしている被害は、日本人が今まで経験した厄災の中でも、目に見えない敵を相手にしているだけに、先が見えない恐怖にかられます。台風、地震は日本人を苦しめてきた自然災害ですが、これまでは何とか苦境を乗り越え、その経験を糧にして、防災対策を講じてきました。しかし、今回ばかりは日本人が経験したことのない厄災です。こんな時こそリーダーの資質が問われるのではないかと思います。リーダーの鶴の一声で物事が進められる国家体制でない以上、補佐する政治家や官僚の役割は重要性を増すと考えます。さらに、今回の様な非常事態においては、思い切った施策をスピード感をもって実行することが求められますが、今の法体系では限界があるように思われます。これを機に、医療体制及び法体系の見直しをすることが喫緊の課題と考えます。
ご存知の方もおられるとは思いますが、4月1日新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの声明が出されました。要約しますと、
- COVID-19が妊婦、特に妊娠初期の胎児に及ぼす影響は明らかでない。
- 妊婦におけるCOVID-19の感染リスクが高いとは言えない。
- 一方、妊婦においてCOVID-19感染の重症化の可能性が指摘されている。
- 感染時に使用される治療薬として妊婦に禁忌の薬剤による治療が施行されていることから、妊娠成立後の対応に苦慮することが予想される。
- 受診や医療行為に関連した感染の新たな発生も危惧される。
以上の事から、国内のCOVID-19感染の急速な拡大の危険性がなくなるまで、あるいは妊娠時に使用できる予防薬や治療薬が開発されるまでを目安として、不妊治療の延期を選択することを、医師と患者さんおよびご家族の間で検討する必要性があります。
当クリニックに通院されている受診者の中には、多くの一般不妊症治療患者さんがおられます。とくに、高齢の不妊患者さんにとっては、時間との闘いと云う深刻な問題を含んでいます。いつになったら終息するのか、今のところ全く先の見えない現実に、不安を募らせておられることと存じます。皆様、遠慮することなく、私どもに相談なさってください。微力ながら全力でサポートさせていただきます。頑張りましょう!